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2006年10月 5日 (木)

20冊目 『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』

過労と季節の変わり目というダブルパンチを受け、フ~ラフ~ラ、フラダンスが流行の兆しらしいですね。

…すいません、そんな私(どんな私?)に必要だったのが、そう、「笑いの力」。「笑い」が健康に及ぼす好影響が科学的に研究されている中、私が触れたのは「悲しい」笑いでした。今回私が紹介するのは、

『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』 大竹一樹 三村マサカズ 2004.8 宝島社(宝島社文庫)

さまぁ~ずの悲しいダジャレ』 大竹一樹 三村マサカズ 2004.8 宝島社(宝島社文庫)

という本です。この本、単なるタレント本とナメてはいけません。全国1億2700万人のダジャレ界に革命を起こしたすごい内容が詰まった本なのです。(やや誇張。…やっぱり、だいぶ誇張)

さてさて、何がすごいかというと、ダジャレに本来なら蛇足とも言える付け足しの一文を添えることで、もうすっかり聞き慣れてしまった、あんなダジャレやこんなダジャレを新鮮なものに変えてしまい、さらにはそのダジャレが本来存在したであろう場面をありのままにさらけださせてしまうという、ダジャレの新たな可能性を開拓した…。

すいません、ちょっと真面目が過ぎました。とにかく革命なんです。

ダジャレを求めて○○年。学生のときは生徒手帳にダジャレをNo.1から200個以上書き付け、「調子」と書いた紙に乗ってみたり、手に「酢」と書いてみたり、ペンを「ペンペン」と叩いてみたりしてきた私でしたが、さまぁ~ずの才能を前にして、感動が胸に込み上げて…いやいや笑い転げました。

この笑いは、じわ~っときます。なにしろ「悲しい」ダジャレですから。決してあせってはいけません。あさってはあしたのあしたです。

今日はふざけが過ぎておりますが、どうかご勘弁を。

もう少し本の紹介をすると、メインの『悲しいダジャレ』にいく前の、『悲しいダジャレを読むにあたっての諸注意』がすでに面白いです。諸注意にある通り、ページは順に読むことをおすすめします。ネタが微妙にストーリーになっているので、一度ツボにはまってしまうと繰り返し笑いの波に襲われます。ページを開くと、右ページに大竹のダジャレが、左ページに三村のツッコミが載っています。『悲しいダジャレ』、『悲しいダジャレの続き』、『悲しいダジャレのもっと続き』がメインですが、他にも『悲しいダジャレクイズ』という超難問(そんな答え分かるかいな~)や、『悲しいあ・い・う・え・お』(か、悲しい~)など、好きな人にはたまらない一冊です。

ちなみに、『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』(単行本)は、さまぁ~ずにとっては初めての本で、ここには厳選された87個の悲しいダジャレが収録されています。文庫本では、単行本にちょこっとプラスされ、ボツになった悲しいダジャレが追加されていますよ。

ここで内容を出してしまうと、ちょっと白けてしまいそうで怖いんですが、どんなんか~な~ということで試しに一つ。

「アメって あめぇなー 本物は」

「いままでなにをアメって思ってきたんだよ。ニセもののアメってなんだよ!溶けるの?飲みこめるの?ガラス?」

ほらっ、このとおり…。

最後にさまぁ~ず、お二人の思いを。

三村 「よく、「10分で読み終えた」なんて人がいるけど、そういう人はダジャレも悲しみも何ひとつ噛みしめてないからね」

大竹 「ちゃんと噛みしめて読んだら、10分じゃ終わらない。20分くらいかかるね。」

三村 「それでも、20分なんだ(笑)」

大竹 「ホントの話、時間かけて読んだ方が面白さは増すんだよ。」(P249)

笑いの名作か、はたまた迷作か?あなたの力量とセンスがこの本で試されるのか?(疑問符のまま本の紹介を終えるのか?…)

追記1:2006年10月12日(木)

『さまぁ~ずの悲しいダジャレ』は、とにかくどう考えてもスゴイので、他の人も薦めていないかな~と検索していたところ、やっぱり熱い人はいるもんですね~。「月の騎士の戯言」の、月の騎士さんの記事が非常に面白かったです。

悲しいダジャレを大きく5つに分類されているのですが、その中の、④理不尽で悲しい一言では、月の騎士さんの真面目さとダジャレに対するストイックさが非常に伝わってきて、個人的にはすごく共感を覚えました。

私も学生の頃、ダジャレがある程度たまってきたので、それを分類してみたことがあります。

初級は、短い単語を繰り返すもの。例えば、「ふとんがふっとんだ」「サルが去る」など。世間的に浸透・聞き慣れてしまっているため、もはや笑いには結びつきにくいですが、小学生のときは、これらを連発することでまだまだ笑いが起こる可能性は十分あります。「赤はあかん、白にしろ」「石はいいし、岩もいいわ」などのように、重ね技を使うと少しだけ難易度は増しますが、笑いも増すかは保障出来ません。

中級は、単語を単純に繰り返さずに、英語(和製英語)に変換したもの。例えば、「石が落ちた、ストーンッ」「あっあの人は、雷さんだ~」など。英語をしっかりと学習するようになる中学生になると、結構閃くようになりますが、成長の段階的に思春期と相まって、笑いにはなかなか結びつきません。あと、効果音になっているものも中級です。例えば、「ズボンが勢いよく脱げた。ズボンッ!」「パンが破裂した。パンッ!」など。これは効果音なので、繰り返し言うと面白いです。「ズボンッ!ズボンッ!ズボンッ!」「何人脱げてるんだよ、ってか、なんで勢いあるの!?」自分でツッコミも入れてみました。

上級は、やや長い単語を使って、その単語だけで文章になっているもの。例えば、「君、百円玉食べれる?ひゃ~、食えん!」「運動場で遊んでもいいですか?うん、どうじょう」など。これは、見つけると嬉しいダジャレですが、笑いに結びつくというより感心されてしまい困ります。あと、よく考えてみると、ダジャレの設定がおかしいです。

私は、感情ダジャレを得意としていました。感情ダジャレは私の勝手な造語ですが、言うなればダジャレに魂を込めて言う。ただそれだけです。例えば、「惑星で屁をこいた。わっ、くせ~!」なら、「わっ、くせ~」の部分をものすごく感情を込めて言う。…私も自分で書いていて悲しくなってきましたが、これは使い古されたダジャレでも新鮮な笑いを得ることができるのでオススメです。(…誰に?)

中学生のときに、ダジャレを言い合っていた友人が、「新幹線は、しん↑かん↓せん↓」(矢印は、イントネーションの上下)と言った衝撃を今でも覚えています。これは、私が好きなツッコミ「言い方だけやん」に対応するボケなのですが、当時の私にとっては非常にシュールで(すごく新鮮に感じられた)、まるで季語もなく、17音でもない俳句のような衝撃を受けたのでした。

つらつらと書いてきましたが、とにかく「悲しいダジャレ」がすごいのは、付け加える一文次第で、初級のダジャレさえも新たな可能性をもった「笑い」に変わるという革命を起こしたことです。しかも「笑い」と「悲しさ」という、相反する二つのものが重なったときに見えてくる『人生の機微・真髄』ともいえる何かが否応なしに浮かび上がってくるという、とんでもないおまけつきで。

よしっ、言い切った。満足しました(汗)

◎関連リンク◎

さまぁ~ずの悲しいダジャレ 文庫版(宝島社)

・『さまぁーずの悲しい俳句』 大竹一樹 三村マサカズ 2006.9 宝島社(宝島社文庫)

☆トラックバックさせて頂いた記事☆

悲しいダジャレ最終回 ~その全貌~(月の騎士の戯言)

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コメント

はっちさん初めまして。
迷惑トラックバックを防ぐために、スパムをしていまして、
トラックバックにお手間をとらせてしまったみたいで
すみませんでした。

いや~、私も悲しいダジャレを薦めて早3~4年は経ちますが、
ここまで共感して下さったのははっちさんが初めてです。
大抵は「ダジャレなんて下らない」という先入観(?)の前に
あしらわれていたのですが、やはり分かって下さる方は分かって
下さっていたのだなと万感の思いです。最初の紹介文からの
面白さも凄く同感です。かゆみは我慢します(笑)
さらに、記事までわざわざ紹介して下さり、ありがとうございます。

「感情ダジャレ」とは、良いネーミングですね。
ダジャレは言う方に変な照れがあっては駄目ですよね。
言う方も真剣に、それでいて「笑いを取る」という意思が
あるダジャレは下らなくても、つい笑ってしまいます。
後は、不意をついたダジャレにも私は弱いです。

昔、カレーなどをつけて食べる「ナン」を友人と食べていた時に、
皆がうまい、うまいと言っていたのですが、ひとりが突然
「なんでうまいんだろ」と言ったので吹いてしまいました。
そういう意外な所から飛び出るダジャレも面白い気がします。

悲しいダジャレを知ってしまったら、ダジャレの後には一言
つけずにはいられなくなってしまうぐらい、魔性の魅力がある
ので、世の中のダジャレを言うと、寒いと思われるおじさん方も、
是非この本を読んで悲しいダジャレを言って欲しいですね。


では、最後に自作の悲しいダジャレを一つ。

大竹:その鷲はわしのだ! ダイソーで買ったんで。

三村:安ッ!鳥の王様なのに売ってんの!?

投稿: 月の騎士 | 2006年10月13日 (金) 14:33

月の騎士さん、コメントを頂けてすごく嬉しいです。
トラックバック連発してしまってすいませんでした(汗)

月の騎士さんの記事に辿り着いたとき、
思わず「おおっ!」と声を出してしまいました。
熱がこもっていなければ書けない文章だけに、
出会えた幸運に感謝しながら、
私も自分の記事に追記させてもらいました。

いや~、ダジャレもちゃんと付き合ってみると深いですよね。
お笑いブームが来ても「ダジャレ」押しの芸人さんはなかなか見当たりませんでしたが、さまぁ~ずが「悲しいダジャレ」を世に出して、衝撃を受けた人は結構いると思います。
月の騎士さんの言葉を借りれば、本当に魔性の魅力がありますよね。ただダジャレを言うだけでは物足りなくなるというか、ふとその続きを考えてしまうようになりますよね。

感情ダジャレは、中学生の時に自分の中ではピークでした。
「ミミズが砂漠で言った。み、水をくれ~」では、
生命の危機に直面したミミズになりきり、
「ジャイアン、死んじゃいやん」では、
どうか助かってほしいという祈りにも似た気持ちで言う。
基本的に「寒い」と言われても、それが嬉しかったところもあったので、ダジャレは本当に青春の1ページでした。

私の勤めている職場に、
中国出身の曹(そう)さんという人がいるのですが、
曹さんが休みの日のこと。

「今日は曹さん休みですよねぇ」「そうそう」

この「そうそう」を言った人が、とても真面目でダジャレを言うはずがない人だったので、思わず噴いてしまいました。不意打ちのダジャレの威力は凄まじいですね。

悲しいダジャレの魅力をこうして月の騎士さんと語り合えてとにかく嬉しいです。まだまだ知らない人も多いと思うんで、この面白さを是非とも知ってもらいたいですね~。

投稿: はっち | 2006年10月13日 (金) 23:28

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