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2007年2月22日 (木)

33冊目 『四国はどこまで入れ換え可能か』

日本の、そして世界の地理について学びを深めていったとき、多くの人が様々な「発見」をします。それは時に、日本語のようなユニークな外国の地名であったり、面白い特徴的な形をした国だったりするわけですが、私たち日本人には、ある異国の地が大変身近な日本の国土に思えてきてしまうことがあるようです。

そうです、スポットライトはオーストラリアを照らしています。お~っと、南半球から大陸が日本に急接近!あれ?近づいてくるほどだんだんと小さくなって、そして紀伊半島の西側にスポッ!

…??違和感なし。

こんな余計なストーリーはほっておいて、四国とオーストラリアって入れ替わっても意外といける、なんて考えたことがある人は少なくないはずです。私はそれに加えて、九州とアフリカ大陸を入れ換えたりもしていましたが。そんなわけで、タイトルからして興味をそそられたのが、今回紹介する、

『四国はどこまで入れ換え可能か』 佐藤雅彦 2005.11 新潮社(新潮文庫)

四国はどこまで入れ換え可能か』 佐藤雅彦 2005.11 新潮社(新潮文庫)

という本です。

本を手に取り、ペラペラっとページを捲って、ビックリ。えっ、これってほんまに新潮文庫?と思ってしまった私。実はこの本、新潮文庫では珍しいコミック集だったのです。カバーの折り返しに、新潮文庫の漫画と関連本という一覧が載っていました。

『ポリンキー』や『だんご三兄弟』、最近では『ピタゴラスイッチ』など、その才能が世間を賑わせている、著者の佐藤雅彦さん。本書は、佐藤さんが2001年にネット上で配信していた「ねっとのおやつ」が文庫化されたものです。

タイトルにもなっている「四国はどこまで入れ換え可能か」は、その中のある一編ですが、実際に四国とオーストラリアとが入れ替わった日本地図を見ることが出来て、面白いアイデアだなぁと思いました。

全部で109の作品が収録されていますが、私は「子供忍者ちび丸」と「ミニ象」、そして「リモコンにもの申す!」に惹かれました。「リモコン~」は、テレビとリモコン、果たしてどちらが付属品なのかという言い争いの話で、話のオチにはなるほどと納得しました。

とにかく著者のものを見る視点のユニークさと、目のつけどころの巧さには驚かされっぱなしでした。その絵の可愛らしさによって、癒される、ホッとする、という気分を味わっていたのですが、あとがきを読むと、この作品集は単なる「ゆるくてかわいいもの」だという見方をされるのを避けるために、文庫化されるにあたって、「四国は~」の「きちんとした滅茶苦茶さ」が、この作品集を象徴しているのではないかと考え、著者の強い希望で、タイトルを単行本での「ねっとのおやつ」から改題したそうです。

実際、この作品集から更にいくつもの作品が発展する可能性があるなと思わされました。佐藤雅彦さんから今後も目を離せそうにありません。

◎関連リンク◎

四国はどこまで入れ換え可能か(新潮社)

MASAHIKO SATO TOPICS

日本のスイッチ(MSN毎日インタラクティブ)

佐藤雅彦(Wikipedia)

・『Fが通過します』 佐藤雅彦 2006.8 マガジンハウス

・『ぴったりはまるの本』 佐藤雅彦 ユーフラテス 2006.10 ポプラ社

・『日本のスイッチ』 慶応義塾大学佐藤雅彦研究室 佐藤雅彦 2004.3 毎日新聞社

・『クリック 佐藤雅彦 超・短編集』 佐藤雅彦 1998.3 講談社

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