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2007年10月21日 (日)

55冊目 『クレヨン王国の十二か月』

子どもの頃に親しんだものたち、いくつもの年月を経て大人になってから、再びそれらと向き合える機会があるということは幸せなことなのかもしれません。今回私が手にしたのは、

『クレヨン王国の十二か月』 福永令三 2006.9 講談社(講談社文庫)

クレヨン王国の十二か月』 福永令三 2006.9 講談社(講談社文庫)

という作品でした。私がクレヨン王国と初めて出合ったのは、NHK教育テレビで放送されていたアニメーションをたまたま見た時でした。小学校中学年だった私は、それから青い鳥文庫のクレヨン王国シリーズを次々に読んでいったことを思い出します。

シリーズはまだ続いていましたが、中学生になるころには他のことに興味が移り、いつしかクレヨン王国は思い出の中にしまわれてしまっていたのでした。そんな私にとって、クレヨン王国が講談社文庫で出版されるというニュースは非常に嬉しいものでした。早速購入したものの、大事に読みたいと思うあまり、今までなかなか手がつけられなかったのです。

では物語の目次から見てみましょう。

まえがき

ふしぎな大みそか

雪だるま競争

月旅行

ホントザクラ

青井青太のこと

逃げたコイのぼり

人形の町

森の祭り

海と空の旅

けちんぼ所長

ダルマ裁判

迷い道

がいこつ島

お正月

あとがき

となっています。

シルバー王妃が十二の悪いくせを直さないかぎり、ぜったいにもどってこないと書き残して、家出をしてしまったゴールデン王。大騒ぎするクレヨンたちの話を聞いていた小学二年生のユカは、シルバー王妃と一緒に王さまを探す旅に出ます。

クレヨン王国は、十二色のクレヨンが、十二ヵ月を治めているのです。あたしたちは、まず、一月、白の国から旅をはじめることになるのです。(P28)

王妃であることがわからないように、シルバー王妃はマリ姉さんとなり、妹ということにしたユカと十二ヵ月を旅していきます。それぞれの土地には個性豊かな住人たちが暮らしていて、そこで彼らと過ごしているうちに、王妃は自分自身の悪いくせに気づき、直していくのです。

読みながら、あぁこんな場面があったなぁと昔呼んだ記憶が何度も蘇ってきました。十二ヵ月と十二色、十二の悪いくせという分かりやすさは、子どものころのワクワクした気持ちを思い出させてくれるのに十分でした。一年を旅するリズムの良さと、登場人物の表情の豊かさ、それはこの作品の大きな魅力となっています。

なぜ今、クレヨン王国が出版されたのか。それはたくさんの人々に愛されている青い鳥文庫版のクレヨン王国が、最初の出版時の事情によって、かなりの部分を削られることを余儀なくされていたからなのでした。作者の福永さんはこのように語られています。

今に伝わる『クレヨン王国の十二か月』はすでに、青い鳥文庫で、六十九刷の四十五万部。愛蔵版でも二十刷に達し、それらは定本としての地位を確立している。今さら、初稿をもち出して、こちらが本物だと主張する気はないが、作者的には、初稿の方がよかったと思っているし、陽の目を見なかったわが児をいとおしむ気持ちも、強い。特に十月は、半分切ってしまったので、今、青い鳥文庫を読み返してみても、物たりなく思う。(P279)

クレヨン王国の原点というべき作品がこうして陽の目を見たことに、子どもの頃からの一ファンとして、作者とともに喜び、これからも愛していきたいなと思いました。

◎関連リンク◎

クレヨン王国の十二か月(講談社)

・『クレヨン王国の十二か月』 福永令三 1980.11 講談社(講談社 青い鳥文庫)

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コメント

お初&おひさです!
いや~、たくさん本を読んでるね。
私なんてついこの間、やっとハリポタ第6巻を読破したよ。

クレヨン王国は、私も読んだよ。
一番好きなのは、「ももいろうさぎ」だったかな?

題名すら忘れてしまっているけど、
クレヨン王国は、いろいろ考えさせられました。

いい本はいつ読んでもいいよね~。

投稿: きりこ | 2007年11月18日 (日) 22:15

きりこはん、明けましておめでとう!
あっという間に、年が明けちゃった感じです(>_<)

電車通勤するようになって、確実に読書量は増えました。それでも朝の読書の半分くらいは、うつらうつらしてるけど(^^:)

ハリポタもいよいよ完結やね~、また情報交換してね。
「獣の奏者」は面白かったんでオススメです。

投稿: 朔風はっち | 2008年1月 1日 (火) 07:23

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